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2005年12月06日

ナチュラルフォトモード

natura LOMOde

Naturaというカメラとフイルムは知っていますか。そしてナチュラルフォトを知っていますか。
このように疑問文で始まる文章を書くときはちょっと長くなります。
ナチュラルフォト(以下NP)とはフジが提唱するノンフラッシュでその場の雰囲気を生かした自然な写真を撮ろう。そうナチュラを買ってよ!というプロモーションのキーワードです。

フジのF10シリーズやZ1シリーズでもNPモードがありますが、やっぱりNatura SとNatura1600というカメラとネガフイルムを使ったときに本領が発揮されるシステムだと思います。ラチチュードが違いますよやっぱりね。光たっぷり感じられます。

NPの仕組みはナチュラブログでかなり公開されているためNaturaじゃないカメラでも簡単に実現できます。要するにnatura 1600入れたら、フラッシュオフにして露出補正+2して撮るとNPモードと同じになります。簡単です。natura1600のフイルムがあればいいんです。

natura LOMOde

少し古いカメラやたいていの一眼レフでは、自分で感度設定や露出補正ができるので常に露出補正+2の状態を保てます。natura1600を入れたときは感度を400に設定。え、いいの?いいんです。スナップなんかはそうしたほうがキレイに撮れます。

でもですね、我が家のコンパクトカメラOlympus μ君。フイルムを入れたら自動的に感度をフイルムから読み取ってしまってその後露出補正ができないんです。
普通の最近のコンパクトカメラは感度自動設定用のDXコード対応となっていて超お便利な機能ですが、NPができない。くわっ。

natura LOMOde

じゃあどうするのかっていうと、フイルムに設定されているDXコードを改造します。
用意するものはセロテープ。これだけ。

DXコードとはなんでしょう。これはフイルムの横に黒と銀色の格子模様がありますね。これです。黒いところは電気が通らず、銀色のところは電気が通るようになっています。これはONとOFFを意味しており、この組み合わせで感度などの情報がカメラ本体に伝わるようになっているのです。感度以外にも情報があるのですがNP改造には関係ないので割愛。

20051206naturafilm.jpg

フイルムの出っ張りを左にしておきましょう。
DXコードが見えると思います。ここは実は4つの領域に分けられています。
一番左は導通部位。必ず銀色になっています。
上側一列が感度指示部位。下側一列はフイルム枚数とラチチュード、ここはそうそう使いません。
上側の感度指示部位は5ビットです。ビットは2進数の単位でして、理論上2の5乗=32通りの感度を示せるようになっています。左から1,2,3,4,5桁と数えると、以下のようになっています。

感度1 2 34 5
25■■■□■
32■■■■□
40■■■□□
50□■■□■
64□■■■□
80□■■□□
100■□■□■
125■□■■□
160■□■□□
200□□■□■
250□□■■□
320□□■□□
400■■□□■
500■■□■□
640■■□□□
800□■□□■
1000□■□■□
1250□■□□□
1600■□□□■
2000■□□■□
2500■□□□□
3200□□□□■
4000□□□■□
5000□□□□□

ここで理系な方は気づきますが(というかだいぶ補助線引いていますが)、1,2,3桁目が大まかな感度グループ、4,5桁目で詳細グループに分類できます。100-160は1,2,3桁目が■□■、400-640は1,2,3桁目が■■□など。これはどういう意味があるかといいますと、普通にお店で売っているフイルムは100,200,400,800,1600が主流です。プロ用になると160とか64とかもありますが、たいていのネガは100,200,400,800,1600。そう、これらをあらわすには1,2,3桁目だけでいいのです。
コンパクトカメラの種類にもよりますが、裏蓋をあけるとフイルムをいれるところにピンが4本のものと6本のものがあります。4本のものは1本が導通用、残り3本で50,100,200,400,800,1600,3200を認識します。そういうカメラの説明書には途中の感度は1段下のものに設定されますとか書かれていたりします。一眼レフだと6ピンあって細かく自動認識してくれたりするのです。

natura LOMOde

さてウンチクはこのへんにして、最初の目的のNPモードにするためには。
Natura1600を入れるときはDXコードをだましてフイルムを改造してNatura1600を感度400に設定します。DXコードの感度部分を■■□□■にすればいいのです。
■は電気を通らないところ。□は電気を通すところです。
1600は元々■□□□■なので■■□□■にするには、セロテープをそこに貼ればいい!上の番号でいうと「2」の部分にセロテープはって電気を通らなくさせます。これだけ。

これを応用すればISO400のフイルムをISO100に設定すればなんちゃってNPモードにもなります。■→□はアルミホイルをはったりするのです。ナチュラ1600とはフイルムの仕組みが違いますが、それでもいい感じになります。色がすっきりする気がします。でも手ぶれ危険になりますのでご注意。

投稿者 daisei : 2005年12月06日 21:01

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Eos7/Sigma24-60mmF2.8/Fuji Natura1600/Canoscan9950F 05.12.28 @高知市55番街 飲み屋での写真... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年01月04日 17:59

コメント

Naturaってそういう仕組みだったんですね。
なるほど~。メモっておきます!!

投稿者 じろさぶ兄 : 2005年12月06日 21:29

以前フイルムの感度設定を一段小さくしておく方がきれいに撮れる気がすると教えていただいたんですがこういうことですね。
私のカメラにはテープ貼らなくちゃいけない仕様のものはないですが
NPモードについてはなるほどと思いました。

投稿者 mika : 2005年12月06日 21:35

フイルムの格子模様にそんな秘密があったとは!?
超デジタルな感度自動認識技術。驚愕の事実でした。
久しぶりにフイルムカメラで写真を撮ってみようかな。。。
最近、程よい緊張感に飢えているような気がするんです。

投稿者 タツヤ : 2005年12月07日 00:44

*じろさぶ兄さん
ですから絹絵さんにNaturaモードをつけてくれとあれほど!
でも白飛びしちゃってますからね。無理ですね。
または2段下で撮って手振れは防いで、夜景や室内がびっくり超きれいに現像とか。

*mikaさん
そうかmikaさんちのは全部手動もしくは露出補正可ですね。
それと冬の新潟のイルミネーションとかを普通にデジカメで撮る時には+1補正くらいしたほうがなんとなくきれいに撮れます。キラキラ。

*タツヤさん
なんかあるなーっていうのもやっぱり意味があるのですよね。
程よい緊張感にはフイルム撮影のほかにもや雨予報のときに傘を持たずに出るなどの方法もありますね。

投稿者 だいせい : 2005年12月07日 08:28

ほほう、ものすごく参考になっちっち。
強制NPモオドこれからの季節活躍しそうだすわよね。

投稿者 ぴょん : 2005年12月08日 21:19

ロモヲなどでやるといいですよね。ぴゅっさんのをみてやりたかったけどうちのロモヲISOでいうところの200までしか設定できなくなんとなくnaturaさん使うのがもったいないというかそんな軟弱な気分でNFNLできるのか!みたいな。
デジカメもこれからの季節はとりあえず+1ですよ。

投稿者 だいせい : 2005年12月08日 22:27